令和3年度産業技術調査事業(産業界における博士人材の活躍実態調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、産業界における博士人材の活躍実態について書かれた報告書である。経済産業省が2022年に実施した調査により、博士課程修了者の産業界での活用状況と処遇の現状が明らかにされている。調査は企業規模別に大企業・中小企業・ベンチャー企業を対象として実施され、博士人材の採用方針や活用実態を詳細に分析している。また大学における博士課程後期在学生への就職支援体制についても併せて調査が行われ、産業界への就職を促進するための取組や障壁が検討されている。修士課程修了者と比較した博士課程修了者の強みとして、データサイエンスや知的財産に関する専門知識が挙げられる一方で、産業界での活躍を阻む要因も分析されている。大学側では博士課程在籍者に対するキャリアパス支援の仕組みや、産業界での活躍を意識したカリキュラムの整備状況が調査されている。産業界への就職支援として、専門メンターの配置やインターンシップの実施、企業とのマッチング機会の提供などの取組が実施されているが、支援体制の充実が課題として指摘されている。さらに諸外国における博士人材の活用状況との比較分析も行われ、日本の博士人材活用政策の方向性を検討するための基礎資料として位置づけられている。
