令和3年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(小売店舗における感染症対策事例に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度に実施された小売店舗における新型コロナウイルス感染症対策事例の調査について書かれた報告書である。公益財団法人流通経済研究所が経済産業省の委託を受けて実施したこの事業は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、百貨店・ショッピングセンター等の小売店舗における感染拡大防止対策の好事例を収集し、業界全体への横展開を図ることを目的としている。
調査手法として、主要小売企業に対する電話・メール等によるヒアリング調査、新店オープン時の現地取材、企業ホームページやニュースリリースの調査、業界メディアとの連携による情報収集を実施した。対象企業はスーパー17社、コンビニ3社、ドラッグストア3社、百貨店・ショッピングセンター4社、その他5社に及び、これらの調査を通じて合計41件の感染対策事例を収集している。
収集した事例は「スーパーなど小売店舗における感染拡大防止のための取組事例サイト」に業態別に整理して掲載し、事業者の参考となる情報を提供した。また、業界団体に所属していない店舗でも「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」の遵守を示すことができるよう、「ガイドライン実施宣言ステッカー」の発行機能を構築した。このステッカーは約20項目の予防対策についてセルフチェックを行い、申請により取得できる仕組みとなっている。
事業の実施結果として、WEBサイトは2021年5月から2022年3月までの期間で13,273ユーザーによる閲覧があり、ページビュー数は31,274PVを記録した。アクセス数の推移では、新型コロナウイルス感染症の第5波、第6波の拡大時期にサイトへのアクセスが増加する傾向が確認されている。ステッカーについては75店舗からの申請実績があり、業界団体に所属しない小規模事業者にもガイドライン遵守の機会を提供することができた。この事業により、小売業界全体における感染防止対策の底上げと消費者の理解促進に一定の成果を上げている。