令和3年度地域経済産業活性化対策調査事業(今後の地域のデザイン政策に関する調査)事業実施報告書
報告書概要
この報告書は、中国地域における2030年のデザイン政策について書かれた報告書である。経済産業省が推進するデザイン経営の考えを基に、新型コロナウイルス感染症の影響や社会の複雑化により困難となった新商品・新サービス開発の方向性を明確にすることを目的としている。日本のマークアップ率がG7諸国で最低水準にあることや、新商品・新サービスを投入する企業の割合が先進国で最も低いという課題を背景に、デザインに対する共通認識の欠如と文化的定着の不足が付加価値創造を阻害しているとの仮説を立てている。
本事業では、企業、自治体、消費者等が共通のイメージを持てる中国地域のデザインビジョンを策定し、今後のデザイン政策の検討材料として活用することを目指している。具体的な実施内容として、中国地域の2030年イメージ資料の作成、専門家及び有識者による検討会の開催、ビジョンの作成という3つの取組を同時並行で進めた。事前検討及びヒアリングでは、自治体担当者や地域プレイヤーから課題を集約し、現状の仮説を整理した。地域プレイヤーとして株式会社GKデザイン総研広島と一般社団法人地域価値共創センターにヒアリングを実施し、デザインを産業化する取組やエリアマネジメントの実践事例を把握した。
事前検討会では、中国地域内の自治体担当者及び地域プレイヤーをオンラインで招き、デザインを「世界の中でも魅力ある地域をつくり出すために、地域固有の歴史・文化・資源をうまく活用し、既存の業種や固定観念に縛られることなく当事者として行うクリエイティブな取組」と仮定義し、理想の地域像や維持すべき要素、支障となる要因、具体的なアクション等について意見交換を行った。
