令和3年度北海道内の起業家及び「J-Startup HOKKAIDO」認定企業の経営状況等にかかる調査事業 調査報告書
報告書概要
この報告は、北海道内の起業家及び「J-Startup HOKKAIDO」認定企業の経営状況等について書かれた調査報告書である。北海道内におけるスタートアップ・エコシステムの形成が進展する中、持続的な発展には成長するロールモデル企業の創出と、これに続く起業家の好循環が重要となっている。2020年10月に始動した「J-Startup HOKKAIDO」では現在32社が認定され、北海道経済産業局を中心とした支援が進められているが、スタートアップ予備群や起業家候補人材については十分な情報が得られていない状況である。本調査事業では、札幌・北海道スタートアップ・エコシステム推進協議会参画機関を対象に、次期「J-Startup HOKKAIDO」候補となる企業や起業家の情報収集と、認定企業の事業進捗及び経営状況の調査を実施した。調査結果によると、認定企業30社では前期決算期と比較して売上高や従業員数が約3割増加し、事業規模の拡大が確認された。一方で10億円以上の大型資金調達やエグジット直前のミドル・レイターステージ企業がある一方、設立間もないシード・アーリーステージの企業も多く存在している。各企業は事業フェーズを問わずヒト・モノ・カネの不足という課題を抱えており、個別支援策の重要性が明らかとなった。スタートアップ・エコシステムの形成には起業家コミュニティと成長のロールモデル企業の両者が不可欠であり、今後も「J-Startup HOKKAIDO」事業の継続的な推進が北海道におけるスタートアップ企業の創出と地域定着にとって重要である。
