令和3年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)事業化支援事業(オープンイノベーション促進事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度戦略的基盤技術高度化支援事業における事業化支援事業(オープンイノベーション促進事業)について書かれた報告書である。北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)が実施主体となり、道内中小・スタートアップ企業の研究開発成果の事業化促進を図るため、オープンイノベーションを通じたビジネスマッチング、専門家による事業化支援、自立的な仕組みづくりについて取り組んだ事業の全容を報告している。
オープンイノベーションによるビジネスマッチング事業では、首都圏等の大手企業15社を選定し、IoTやものづくり、ヘルスケア、食、一次産業等の分野でニーズを発信した。特設ウェブサイトを開設し、オープンイノベーションチャレンジピッチを開催することで、道内の中小・スタートアップ企業との出会いの場を創出した。この取り組みにより多数の提案が寄せられ、オンラインでの個別面談を通してマッチングを図った結果、協業に向けた継続的な対話が多くの案件で実現された。
専門家を活用した事業化促進事業では、法務、財務、資金調達、市場分析、知財対策等の分野における専門家20名程度を選定し、道内企業の経営課題解決や事業化促進に向けた個別支援を実施した。弁護士、会計士、弁理士、スタートアップ起業経験者、ベンチャーキャピタルなど多様な専門家が参画し、企業の具体的なニーズに応じたハンズオン支援を提供することで、事業化可能性の向上を図った。
自立的な仕組みづくりに関する調査・検討では、福岡市のFDCや横浜市のYOXOなど、他地域でオープンイノベーションのハブとなっている機関の事例調査を実施した。これらの調査結果を踏まえ、道内関係機関との意見交換会を開催し、今後のオープンイノベーション支援体制の構築について議論を重ねた。会費・補助金形式や受益者負担など収益モデルの検討、行政や大学との連携体制の重要性が確認され、将来的には公的予算に頼らない自立的な支援体制の構築を目指すことが方向性として定まった。
