令和3年度アウトドア特化型アクセラレータープログラムの試行によるスタートアップ創出支援方策調査事業事業報告書

掲載日: 2022年12月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 北海道経済産業局地域経済部産業技術革新課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和3年度アウトドア特化型アクセラレータープログラムの試行によるスタートアップ創出支援方策調査事業事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、北海道旭川地域における「アウトドア特化型アクセラレータープログラムの試行によるスタートアップ創出支援方策調査事業」について書かれた報告書である。大雪カムイミンタラDMOが2022年3月に実施した事業の成果をまとめている。

北海道内では札幌以外の地域でのスタートアップ創出が課題となっており、旭川地域は世界的に評価が高い大雪山系というアウトドアフィールドを有している。近年、コロンビア、モンベル、ノースフェイスなどの大手アウトドアメーカーが相次いで進出し、IoT等を活用したアウトドア製品の実証やウインタースポーツの高度化への取組が開始されている。

本事業では、道外の大企業人材による道内での起業促進、地域の起業人材育成、アウトドアテック産業の創出を目指した。2022年1月に3日間のプログラムを実施し、首都圏の大手企業人材やITエンジニア、地域の大学生・高専生などを対象として起業候補人材約10名の参加を予定していた。

プログラム内容は、アウトドア分野の新規事業創出を目指し、テーマ設定、チームビルディング、ビジネスプラン企画を行うものであった。大手アウトドア企業の新規事業担当人材3名を講師として招き、ニーズの設定からビジネスプラン発表まで17時間のプログラムを構成した。

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、開催方法の見直しが必要となったが、最終的にオンライン形式でプログラムを実施した。参加者からは「非常に楽しかった」「他者の事業プランを聞く機会として有意義だった」といった感想が寄せられ、100%の参加者が今後の定期的な開催を希望した。

参加者のビジネスプランには、充電用カイロや曇らないゴーグルの開発、雪質や天候に合わせたギアレンタルサービスなど斬新な提案があった。マイナス20度以下という厳しい環境で通用する製品は国内外の寒冷地でも活用可能であり、大雪山エリアの実証環境としての価値が確認された。プログラム後の個別面談では事業化への強い意志が確認され、今後も継続的な支援によりアウトドア・スポーツ分野での起業家・スタートアップの集積を図ることとしている。