令和3年度関西の地域密着型スポーツチーム・イベント等がもたらす地域への波及効果とスポーツ関連市場における地域中小企業の参入可能性調査 実施報告書
報告書概要
この報告は、関西地域におけるスポーツチーム・イベントが地域に与える波及効果とスポーツ関連市場への中小企業参入可能性について分析した調査報告書である。本調査は令和3年度に経済産業省近畿経済産業局により実施され、地域密着型スポーツチームや自治体、企業へのアンケートとヒアリング調査を通じて実態を把握した。調査対象は近畿2府5県のスポーツチーム、自治体、施設管理者、コミッション等である。チーム側の視点では、地域密着活動により認知度向上、地元ファンからの愛着増加、入場者数増加等の効果が得られ、地域にはスポーツや健康への関心向上、地域の知名度向上、シビックプライドの醸成等をもたらしている。自治体側では、健康増進、交流人口増加、地域の交流促進等の効果を重視している一方、感染症対策、交通アクセス、交通渋滞等の課題も存在する。企業側では、既存事業のスポーツ市場への横展開と、競技経験者による共感に基づくチーム運営・サポート事業の二つのパターンが確認された。調査結果から「チーム・地域・産業の三方よし」の構造が明らかになり、それぞれが異なる立場ながらスポーツに向き合う志を共有していることが判明した。スポーツ関連市場への中小企業参入については、企業がスポーツを自分事として認識し、行政が産業振興の目線を持つことが重要であると結論付けている。本調査は今後のスポーツ関連市場における中小企業政策立案の基礎資料として活用される予定である。
