令和3年度関西の地域一体型オープンファクトリーを発展させるテクニカル・ビジット及びグッド・イミテーション実証調査報告書

掲載日: 2022年12月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 近畿経済産業局総務企画部中小企業政策調査課
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令和3年度関西の地域一体型オープンファクトリーを発展させるテクニカル・ビジット及びグッド・イミテーション実証調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、関西の地域一体型オープンファクトリーの発展手法について書かれた報告書である。令和2年度調査で明らかになった「意識の壁」と「認知の壁」を克服するため、「ナレッジシェア」と「テクニカル・ビジット」の2つのアプローチから実証調査を実施している。関西では2018年の7か所から2021年には16か所へと地域一体型オープンファクトリーが拡大しており、中小企業が主役となって地域全体でイノベーションを創出する動きが活発化している。ナレッジシェアの推進では、各地の優良アクションを共有する仕組みを通じて、研究会開催、フォーラムイベント実施、ヒアリング調査を行い、産地間での知識移転の要素を分析した。テクニカル・ビジットでは、大手企業等の外部リソースを現地に招いて意識調査を実施し、訪問前後での意識変化を測定して「意識の壁」を突破する方法を検証している。調査結果から、ジョハリの窓のフレームワークを用いて分析すると、地域一体型オープンファクトリーは参画企業にとって「未知の窓」を開く交差点として機能していることが判明した。「産地の顔」と呼ばれるゲート・キーパーが地域内外を混ぜ合わせる工夫を凝らし、企業群が盲点の窓や秘密の窓を開放していく姿勢が重要であることが示された。今後のエコシステム加速に向けては、産地の顔同士や大企業とがフラットに出会える「ナレッジシェア・ポート」の創出と、国内他地域の取組の可視化が課題として挙げられている。2025年大阪・関西万博を機に、関西の多様な魅力を発信する手段として地域一体型オープンファクトリーの活動を広げていくことの重要性が強調されている。