令和3年度産業経済研究委託事業(新たな託送料金制度における定量的な分析手法の検討及び海外調査事業)-調査報告書-

掲載日: 2023年1月6日
委託元: 経済産業省
担当課室: 電力・ガス取引監視等委員会 ネットワーク事業監視課
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報告書概要

この報告は、託送料金制度における定量的な分析手法と海外調査について書かれた報告書である。英国、ドイツ、ノルウェーにおける送配電事業の効率性評価手法を分析し、日本の託送料金制度への応用可能性を検討している。

英国では回帰分析を用いて効率的な事業者を特定しており、説明変数として設備に関するパラメータ(MEAV、顧客数、ネットワーク長など)を採用している。ドイツとノルウェーではDEA分析やSFA分析により、接続ポイント数、ネットワーク長、変電所数などをアウトプットパラメータとして効率性を評価している。これらの手法では、事業者がコントロールできない外因性のパラメータを選定することが原則とされているが、実際には設備関連パラメータで代替している。

回帰分析においては平均的な意味合いを持つため、別途トップランナーの設定が必要となる。英国では第1四分位数を通るように傾きを調整してトップランナーを定めている。DEA分析では最も効率の高い事業者を基準とし、効率が極端に良い事業者は外れ値として除外する処置を取っている。

英国のRIIO2制度では、事業者のアウトプット達成状況に応じて調整が実施される。完了の場合は調整なし、部分的完了の場合は達成割合に応じて調整額を算出し、未実施の場合は必要経費を差し引いた額をAllowanceから削減する。Output Delivery Incentiveでは、ベースラインより優秀な場合はインセンティブ、劣っている場合はペナルティが適用される。規制内容の決定プロセスでは、規制機関、事業者、利用者グループ、チャレンジグループ間で公開ミーティングを開催し、透明性を確保している。