令和3年度地域中堅・中小企業に関するサプライチェーン基盤強化支援事業調査報告書

掲載日: 2023年1月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 関東経済産業局産業部製造産業課
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報告書概要

この報告は、令和3年度に関東経済産業局管内の中堅・中小企業を対象として実施されたサプライチェーン基盤強化支援事業について書かれた調査報告書である。急速に進展するデジタル化やグリーン化、CASE等による社会・産業構造の変化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、既存の企業間取引は寸断・再構築が予想される中で、中堅・中小企業による新たな価値提供の可能性や方途を探ることを目的としている。

調査では、サポイン事業活用企業やGNT企業、地域未来牽引企業等から抽出した1,689社にアンケートを実施し、390社から回答を得た後、50社近くのヒアリング調査を実施した。業種横断的アプローチと自動車産業に特化したアプローチの両面から、収益性・競争優位性・戦略性・国際性に優れた企業や、カーボンニュートラル・CASE等の構造転換に対応する企業を重点的に調査している。

調査結果から、中堅・中小企業の成長要件として、IoTやAIといった技術革新を製造現場の効率化に留まらず新たな高度技術サービスとして収益化する企業が目指すべきロールモデルであることが判明した。自動車産業においては電動化が加速する中で、本業で稼ぎつつ次の稼ぎのタネを育てるための投資と経営戦略の立案が必須であり、川下企業等に対する提案力と営業力の涵養が重要であることが明らかになった。

地域経済社会の発展には、イノベーション・持続可能性・人材活躍・デジタルの4つの視点での変革が求められている。イノベーション創出では、従来とは異なる画期的な発想による新製品開発やハードウェア・ソフトウェア統合型コア技術の開発が進められている。企業の安定成長には、ニッチ戦略による特定領域での継続的・安定的なビジネス展開や、将来性のある事業領域への再構築が有効であることが示されている。人材確保・育成では、若手人材確保と熟練技術者の技術継承が重要課題であり、複数技術分野対応可能な人材確保が今後の成長につながるとされている。