令和3年度戦略的基盤技術高度化・連携支援事業(価値創造チャレンジ事業)調査報告書

掲載日: 2023年1月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 関東経済産業局産業部製造産業課
委託事業者: 株式会社リバネス
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報告書概要

この報告は、中堅・中小企業とスタートアップが連携した技術革新事例について書かれた報告書である。主要な事例として、株式会社3D Printing Corporationと成光精密株式会社、および株式会社エイゾスとダイセイ株式会社の2つの連携が紹介されている。

第一の事例では、3Dプリンティングコンサルティングのスタートアップである3D Printing Corporationが、精密部品製造の成光精密と連携し、製造物の図面データから加工方法の検討や治具の設計製造を実現するシステムを開発している。これにより、従来は職人の暗黙知に依存していた治具製作において、コスト・スピード・品質の大幅な改善を達成し、次世代サプライチェーンの構築を目指している。

第二の事例では、AI解析プラットフォームを提供するエイゾスが、精密測定機器メーカーのダイセイと提携し、超仕上盤の条件設定の高速化・高度化に取り組んでいる。ベアリングなどの高精度パーツ加工に必要な超仕上盤は、砥石の種類や各種パラメーターの設定が複雑であり、現在は熟練作業者の経験に依存している。この課題に対し、革新的実験計画法とAI技術を組み合わせることで、多入力多目的システムの最適化を図り、製造工程の律速解決と高付加価値化を実現している。両事例とも地域サポート機関が連携機会の創出に重要な役割を果たしており、技術の融合による製造業の革新を示している。