令和3年度ヘルスケアサービス社会実装事業(イノベーション促進支援等事業)報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度に経済産業省が実施したヘルスケアサービス社会実装事業について書かれた報告書である。主要な事業として、ヘルスケアベンチャー企業支援のワンストップ相談窓口「Healthcare Innovation Hub(InnoHub)」の運営と「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(JHeC2022)」の開催が実施された。InnoHubでは、ヘルスケア・ライフサイエンス分野のベンチャー企業やアカデミアからの相談に対し、専門アドバイザーや事業会社からなるサポーター団体のネットワークを活用したワンストップ支援を提供した。相談件数は年間106件で、資金調達やネットワーキング支援に重点を置いた対応が行われた。また、相談企業に対するフォローアップ調査により、支援効果の測定と課題の把握が実施された。JHeC2022は、ヘルスケア分野の優れた個人・団体・企業の表彰と大企業・ベンチャーキャピタルとのビジネスマッチング促進を目的として開催された。アイデアコンテスト部門とビジネスコンテスト部門の2部門で構成され、応募総数は258件に達した。審査は書類選考、一次プレゼン審査、最終プレゼン審査の段階的プロセスで実施され、最終的にファイナリスト各5組が選出された。グランプリには視覚障害者向けの感覚デバイスを開発する株式会社Raise the Flag.が選出された。コンテストはライブ配信により広く一般に公開され、視聴者アンケートでは高い満足度が得られた。しかし、ライブ配信の視聴環境に関する改善要望や、応募企業の規模・ステージの多様化に伴う審査基準の整理など、今後の検討課題も明らかになった。両事業を通じて、日本のヘルスケアイノベーション創出に向けた支援体制の構築と、優れた取り組みの社会認知度向上が図られ、ヘルスケア分野における新産業創出の促進に貢献した。
