令和3年度沖縄地域MaaS 導入推進調査事業 報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度に実施された沖縄地域におけるMaaS(Mobility as a Service)導入推進調査事業について書かれた報告書である。沖縄県内では2019年11月の八重山MaaSを皮切りに、2022年まで7つのMaaS事業が実施され、すべてが観光型MaaSとして展開された。八重山MaaSは離島船舶・バス・タクシーの電子チケット化を実現し、沖縄CLIPトリップはマルチモーダルルート検索機能と現地ライター記事を連携させた。南城市およびうるま市では募集型企画旅行として観光MaaSが展開され、沖縄スマートシフトプロジェクトは沖縄全域でモノレール・バス・船舶等の連携チケットを提供した。宮古島市MaaSではあいのりタクシーの本格運用に向けたダイナミックプライシングが実施された。各事業は一定の利用者数を確保し、観光振興に寄与する可能性を示したが、地域交通需要への大きな影響は見られなかった。主な課題として、利用のしやすさ、参加事業者との調整、プロモーション不足が挙げられ、出発地での十分な広報が重要であることが判明した。また、スマートモビリティチャレンジ地域シンポジウムの開催により、沖縄県内の関係者間での情報共有と連携強化が図られた。個別地域でのFS調査では、プレ実証実験を通じて地域特性に応じたMaaS導入の可能性が検討され、今後の展開に向けた具体的な方向性が示された。
