令和3年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業文化資本経営促進に関する調査研究事業成果報告書
報告書概要
この報告は、企業による文化資本経営促進に関するアート投資について書かれた報告書である。昨今、欧米では企業の競争力向上や付加価値創出を目的としたアート投資が盛んに行われており、国内でも一部企業で取組が始まっている中、投資の円滑化を図るため、国内外のアート投資の現状調査・分析、日本におけるアート投資手法の類型化、投資効果の研究、企業が行うべき投資指標の設定を行った。AI・ロボティクス技術の発展により労働人口の49%が代替される可能性がある中、創造性の重要性が高まっており、G20文化大臣宣言やイギリス、アメリカの積極的な文化セクターへの財政支援など、世界的に文化芸術への投資が注目されている。報告書では企業によるアート投資を4つに分類し約30事例を紹介するとともに、国内外の先行研究約20件を整理し、我が国企業のアート投資に関する2つの実証研究を実施した。さらに文化アートと経済社会の循環エコシステム構築に向けた研究会を開催し、地域におけるアート投資の成功事例として直島や瀬戸内国際芸術祭を取り上げ、これらが約180億円の経済波及効果を創出し、外国人宿泊者数の大幅な増加や地域活性化に寄与していることを示している。
