令和3年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する等調査)調査報告書

掲載日: 2023年2月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局環境政策課環境経済室
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令和3年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する等調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方について書かれた報告書である。令和3年度に一般財団法人日本エネルギー経済研究所が実施した調査委託事業の成果をまとめたものであり、世界各国のカーボンプライシング制度の現状と動向を包括的に分析している。カーボンプライシングは炭素排出に価格をつけることで排出削減と低炭素技術への投資を促進する手法であり、明示的カーボンプライシングである炭素税と排出量取引制度、暗示的カーボンプライシングであるエネルギー税などに分類される。炭素税については、欧州諸国を中心に1990年代から導入が始まっており、各国の政策目標や政治経済的影響を考慮した多様な優遇措置や特例措置が設けられている。英国、ドイツ、フランス、スウェーデン、デンマーク、スイス、カナダ、韓国など各国の制度は、課税対象、課税段階、税率、減免措置において大きく異なっている。排出量取引制度では、EU ETSが世界最大の制度として機能しており、段階的な対象拡大と無償割当の削減により強化されている。各国のカーボンプライス水準の国際比較では、家庭用電力や天然ガスにおける炭素税と排出権価格の影響が分析されている。また、企業が独自に実施するインターナルカーボンプライシングの事例として、アステラス製薬、Tetra Pak、マイクロソフトなどの取り組みが紹介されている。世界全体として、カーボンニュートラル実現に向けてカーボンプライシング制度の重要性が高まっており、各国の制度設計と国際的な政策協調の必要性が示されている。