令和3年度産業経済研究委託事業(デジタル化等による産業構造の変化を踏まえた、日本経済の持続的成長・発展のための政策手法の検討に向けた調査)調査報告書

掲載日: 2023年2月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局企業行動課
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令和3年度産業経済研究委託事業(デジタル化等による産業構造の変化を踏まえた、日本経済の持続的成長・発展のための政策手法の検討に向けた調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、デジタルプラットフォーム企業による産業構造の変化を踏まえた日本経済の持続的成長・発展のための政策手法の検討について書かれた報告書である。直近30年間にわたる日本経済の成長低迷の要因として、非効率な産業戦略による構造転換の失敗と、デジタルプラットフォーム企業による既存産業の侵食が挙げられている。GAFAを中心とするプラットフォーム企業は、消費者を囲い込むビジネスモデルを延長し、今後は自動車、コンテンツ、ヘルスケア、スマートシティーなどの幅広い業界で浸食を進めることが予想される。特に、日本の強みである自動車産業における雇用喪失や、経済安全保障の根幹をなす通信インフラやヘルスケア分野での支配力拡大が脅威となる。これらの課題に対応するため、日本は生活者のウェルビーイングと持続可能な社会の実現に貢献する産業を育成し、世界平和に貢献する責務を果たすべきである。具体的には、クリエイターエコノミー、ウエルネス×エンターテイメントシティー、モビリティソリューション、ラグジュアリーサービス、次世代ものづくり、シェアリングエコノミー2.0の6つのドメインに注力する戦略が提案されている。産業の創造・育成に向けては、現状の過度に平等・安心・安全を重視する構造から、経済成長・効率性・イノベーションに比重を置いた構造転換が必要であり、世界の優秀な人材を日本に集積させ、グローバルに通用するスタートアップを生むことが転換の突破口となる。