令和3年度産業経済研究委託事業(日本企業の税務対応状況等に係る調査研究及び第四次産業革命の進展等の経済社会構造の変化と税制に関する調査事業)報告書概要版(英訳)
報告書概要
この報告は、第4次産業革命の進展による経済・社会構造の変化と税制への影響について書かれた報告書である。本調査では、企業の税負担の実態と税制と企業行動の関係の分析、および中長期的な経済・産業政策課題に関する意見交換という2つの主要な調査研究が実施された。
企業調査では、資本金1億円超の17,753社を対象としたアンケート調査を実施し、3,342社から回答を得た。調査対象企業は建設業、素材系製造業、加工組立型製造業、その他製造業、インフラサービス業、小売業、金融・不動産業、その他サービス業などの業種分類に基づいて集計された。
税負担の実態分析では、平成27年度から28年度にかけて実施された法人税制改革による企業の税負担変化について調査した結果、負担が「増加した」と回答する企業が「減少した」と回答する企業を上回った。課税所得別の分析では、課税所得1億円未満の企業や欠損企業において負担増加を感じる回答が多く、一方で資本金額が大きいほど負担軽減の回答が多い傾向が見られた。
税制と企業行動の関係については、2014年度と2020年度の投資額変化を分析した結果、国内設備投資、海外設備投資、研究開発投資は基本的に同様の傾向を示し、企業の投資行動と税制変更との明確な関連性は確認されなかった。企業成長への取組状況では、製造業全体で国内設備投資と研究開発投資が大きく、特に加工型製造業と素材型製造業で研究開発費が高い傾向が確認された。
また、有識者による研究会では3回のオンライン会議を開催し、雇用制度の変化やスタートアップの活性化を主要テーマとして議論を行った。
