令和3年度産業経済研究委託事業(日本企業の税務対応状況等に係る調査研究及び第四次産業革命の進展等の経済社会構造の変化と税制に関する調査事業)報告書概要版

掲載日: 2023年2月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局企業行動課
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令和3年度産業経済研究委託事業(日本企業の税務対応状況等に係る調査研究及び第四次産業革命の進展等の経済社会構造の変化と税制に関する調査事業)報告書概要版のサムネイル

報告書概要

この報告は、日本企業の税務対応状況等に係る調査研究及び第四次産業革命の進展等の経済社会構造の変化と税制に関する調査事業について書かれた報告書である。調査は主に企業の税負担の実態と税制が企業行動に与える関係についての分析、及び中長期的な経済産業政策の課題に関する意見交換会の実施という二つの柱で構成されている。

企業の税負担実態については、資本金1億円超の17,753社を対象としたアンケート調査を実施し、3,342社から回答を得た。平成27年度から28年度の法人税改革による税負担の変化について調査した結果、税負担が「増えた」とする回答が「減った」とする回答を上回った。課税所得金額別の分析では、課税所得金額1億円未満及び損失を計上した企業で負担増の回答が多く、一方で資本金が大きくなるほど負担減とする回答が増加する傾向が確認された。

税制と企業行動の関係については、課税所得金額別の各投資額を平成26年度と令和2年度で比較分析を行った。国内設備投資額、海外設備投資額及び研究開発投資のいずれも、両年度で基本的に同様の傾向を示しており、企業の投資行動と税制変更の関係性を示唆する明確な結果は確認されなかった。企業の成長に向けた取組状況では、業種別の投資額分布を確認し、製造業全般において国内投資額及び研究開発投資額が大きい傾向が認められた。

また、学識経験者による「第四次産業革命による経済社会構造の変化と税制に関する研究会」を設置し、3回の意見交換会を開催した。主要議題として雇用システムの変化とスタートアップの活性化について議論が行われ、個人のリスキル投資促進、企業による人材投資促進、労働市場の流動性向上、資金調達に関する税制上の課題等が検討された。