令和3年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(省エネ等ビジネス世界展開促進事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度に実施された新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(省エネ等ビジネス世界展開促進事業)について書かれた調査報告書である。
本事業は、世界的なエネルギー需要増大と地球温暖化問題の深刻化に対し、日本の省エネルギー・新エネルギー関連技術やサービスの海外展開を包括的かつ実践的にサポートすることを目的として実施された。一般財団法人省エネルギーセンターが、世界省エネルギー等ビジネス推進協議会(JASE-W)と緊密に連携し、分野別ワーキンググループを活用した効果的な運営を行った。
主要な活動内容として、ZEB普及ワーキンググループ、トルコ黒海沿岸ワーキンググループ、廃棄物発電ワーキンググループの3つのワーキンググループが設置され、それぞれビジネス案件発掘に向けた調査分析を実施した。ZEB普及ワーキンググループでは、ASEAN地域におけるZEB概念の普及を図り、ISO国際標準化機構において技術仕様書TS23764の制定に成功し、2021年9月に発行された。また、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムの4か国を対象としたZEB化によるCO2排出量削減ポテンシャル調査を実施し、最大6割程度の削減効果が期待できることが判明した。
トルコ黒海沿岸ワーキンググループでは、天然ガスパイプライン敷設とガス供給ネットワーク整備に伴うエネルギー転換が進む同地域において、日本企業の省エネ機器技術導入の可能性を探り、現地金融機関や政府機関との関係構築を進めた。廃棄物発電ワーキンググループでは、急激な経済発展と人口増加により廃棄物処理問題が顕在化するアジア・アフリカ地域において、質の高い廃棄物処理施設の導入を目指し、日本技術の優位性を示す活動を継続した。
