令和3年度固定価格買取制度等の効率的・安定的な運用のための業務(中部経済産業局の固定価格買取制度における事業計画実施状況等の円滑な遂行に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、中部地域における再生可能エネルギー発電設備、特に太陽光発電事業の適正な運営と地域との調和を図るための取り組みについて書かれた報告書である。2017年の改正FIT法施行以降、認定等の厳格化により申請不備や問い合わせが大幅に増加し、各地方経済産業局の業務負担が増大している現状がある。また、標識や柵塀等の未設置や不適切な設置事例、地域住民とのトラブル案件が多数発生している状況を受けて、本事業が実施された。
事業の主要な実施項目として、「中部再エネ発電設備地域サポート窓口」の設置により、自治体や地域住民からの不適切事案の情報収集と対応を行った。東海地区3県、北陸地区2県の自治体関係者を対象とした「FIT制度に関する自治体連携会議」を開催し、制度に関する動向や指導状況について情報共有を実施した。さらに、FIT関連業務の標準化と自治体での対応状況に係る調査では、業務対応方法の標準化、条例等の制定状況や不適切案件の対応状況についてアンケート調査を実施し、東海地区5件の発電設備に対する現地確認も行った。
エネルギー政策の基本戦略としては、第六次エネルギー基本計画に基づき、「S+3E」を大前提として2050年カーボンニュートラルの実現を目指している。太陽光発電事業を取り巻く動向では、2020年以降のエネルギー供給強靭化法や地球温暖化対策推進法の改正により、再エネの普及促進と事業規律の策定が進められている。中部地域の自治体においては、三重県を中心に太陽光発電施設に関する条例やガイドラインが多数策定されており、地域の実情に応じた規制や指導が行われている状況である。
