令和3年度デジタル取引環境整備事業(ECモールを利用する出店者・出品者向け相談窓口の設置等を通じた課題収集・整理に関する事業)実績報告書

掲載日: 2023年3月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報経済課
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令和3年度デジタル取引環境整備事業(ECモールを利用する出店者・出品者向け相談窓口の設置等を通じた課題収集・整理に関する事業)実績報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和3年度に実施されたECモールを利用する出店者・出品者向け相談窓口の設置等を通じた課題収集・整理に関する事業について書かれた報告書である。

デジタルプラットフォームは経済社会にとって不可欠な存在となり、イノベーションの担い手として中小企業等の市場アクセスを向上させ消費者便益をもたらしている一方で、独占化・寡占化が進みやすく、取引の透明性が低いことや取引先事業者への対応体制が不十分であるといった懸念が指摘されている。こうした状況に対応するため、令和3年2月に「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が施行され、大規模な総合物販オンラインモールとアプリストアが規律の対象として定められた。

本事業の目的は、ECモールを利用する出店者・出品者からデジタルプラットフォーム提供者との間の取引上の課題等の相談を受け付ける窓口を設定し、適切に対応することに加え、共通的な課題を集約して関係者間での適時共有等を行い、変化の激しいデジタル市場の諸問題について適時に把握することである。

事業内容として、まず取引先事業者からの相談対応及び相互理解の促進支援を実施した。デジタルプラットフォーム取引相談窓口を設置し、平日9時から17時まで電話、メール、面談等により無料で相談を受け付け、必要に応じて弁護士も紹介できる体制を整えた。また、透明化法や相談窓口の周知を図るためのオンライン説明会やセミナーを複数回開催し、アマゾン、Yahoo!ショッピング、楽天市場といった各ECモールに関する活用セミナーも実施した。さらに、取引先事業者とデジタルプラットフォーム事業者の間の相互理解促進支援として、ECモール事業者との情報交換や相談内容に基づいた協議を行った。相談対応の質の向上のため、独占禁止法やECモールに関する勉強会を開催し、相談対応者向けマニュアルを作成した。次に、ヒアリング等を通じた市場における課題収集を実施し、取引の拒絶や検索順位・ランキング等に関する事項について調査を行い、ECモール側の規約変更への対応やコミュニケーションの困難さなどの課題を抽出した。また、国内外の関係団体とのネットワーク構築及び情報収集を行い、中小企業基盤整備機構や海外団体との意見交換を通じて継続的な連携関係を構築した。相談内容の記録・分析・報告では、相談記録をデータベース化し事例集を作成するとともに、利用者満足度アンケートを実施した。情報提供活動として、パンフレット25,000部を作成・配布し、日本経済新聞や専門誌等への広告掲載を通じて相談窓口の周知を図った。