令和3年度デジタル取引環境整備事業(OS等の競争評価に向けた市場動向調査)業務報告書
報告書概要
この報告は、OS等の競争評価に向けた市場動向調査について書かれた報告書である。
デジタルプラットフォームは革新的なビジネスを生み出し、中小企業やベンチャー企業の市場アクセスを向上させ、消費者の便益を高めるなど、国民生活と国民経済に多くのメリットをもたらしている。しかし、デジタル市場の競争構造を捉える際には、デバイスのOSレイヤーを基盤として、アプリストアレイヤー、ブラウザレイヤーがレバレッジとなり、オンライン検索サービスの分野で競争優位性が維持・強化され、それが広告プラットフォームと統合されているという階層化された構造的問題に着目する必要がある。
令和3年4月より運用が開始された特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律をはじめとして、デジタル市場のルール整備を進めるため、OSレイヤー構造及び顧客接点としてのボイスアシスタント、ウェアラブルがデジタル市場の競争環境に与える影響についてEUのDigital Markets Act等の海外動向も注視しつつ、現状分析・競争評価に向けた検討を進める必要がある。
業務内容はデジタル市場競争会議及び同WGの運営支援とOS等の競争評価に向けた市場実態調査である。運営支援では第28回から第35回までのデジタル市場競争会議WGの開催支援と事前レクチャーの実施、速記録の作成が行われた。市場実態調査では事業者への13回のヒアリング、海外当局への3回のヒアリング、地図業者に関する文献調査、スマートフォン実機操作、企業情報データベースを使用した取引データ分析が実施された。
