令和3年度デジタル取引環境整備事業(デジタルプラットフォームにおける商取引の実態把握及び経済分析)調査報告書
報告書概要
この報告は、デジタルプラットフォームにおける商取引の実態把握及び経済分析について書かれた報告書である。経済産業省の委託事業として、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が令和3年度に実施した調査成果をまとめたものである。デジタルプラットフォームは経済社会において不可欠な存在となり、中小企業の市場アクセス向上や消費者便益の増大など多くのメリットをもたらしている一方で、ネットワーク効果により独占化・寡占化が進みやすく、取引環境上の問題やプライバシー懸念が指摘されている。2021年2月に施行された透明化法に基づく経済産業大臣によるモニタリング・レビューの実施に向けて、デジタル市場の実情把握と政策検討が急務となっている。本調査では、オンラインモール及びアプリストア利用者向けアンケート調査を実施し、事業者向けには乗り換えの容易性、取引の透明性・公正性の改善状況を、消費者向けには認知率・利用率、特定サービス利用理由等を把握した。また、利用実態についての検討会とデジタルプラットフォームの経済分析のための研究会を運営し、有識者による議論を通じて政策立案に活用する知見を収集した。研究会では最新の経済学論文の概要報告、消費者の情報探索行動に関する実証研究、レビューの不正操作問題などが議論され、プラットフォーム間の相互互換性促進による既存企業優位性の低下、データの外部性による過剰なデータ共有問題、低品質商品のフェイクレビュー利用実態などの重要な知見が得られた。
