令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(国際ルールインテリジェンスに関する調査(システムオブシステムズの安全性・信頼性確保))報告書

掲載日: 2023年3月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報経済課
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令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(国際ルールインテリジェンスに関する調査(システムオブシステムズの安全性・信頼性確保))報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、Society5.0における複数のシステムが連携するシステムオブシステムズの安全性・信頼性確保について書かれた報告書である。現在の安全性確保は個別システム単体を対象としているが、サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合した社会では、データを介して異なるシステム同士が複雑に接続されることで予期しない挙動が生じる可能性がある。そのため、つながったシステム全体としての安全性・信頼性を確保するガバナンスが不可欠となっている。

本調査では、ドローンとスマートビルをユースケースとして、新しいガバナンス設計の基本原理を検討している。従来のガバナンスは現状と近未来への対応を前提としているが、今後は将来像を描いた上で政府主導により企業・ユーザー・社会全体が協力し、目的やアクションを明確化するガバナンスが必要である。システムや機械の機能設計に加えて、規範やインセンティブを含むガバナンス設計を同時に行うアプローチが提案されている。

ドローンの事例では、厳格責任や責任集中、保険・損害賠償、刑事責任・民事責任の免責等に関する法的規定が現在存在しないため、製造物責任法、自動車損害賠償法、原子力損害賠償法等を参考とした新たな規定創設の検討がなされている。また行為義務を定める規定については、性能規定化やデジタル完結・自動化の推進が提案されている。これらの検討を通じて、Society5.0におけるシステムオブシステムズの安全性・信頼性確保に向けた包括的なガバナンス体系の構築を目指している。