令和3年度重要技術管理体制強化事業(国内半導体製造装置の後工程における産業競争力上重要な要素技術の調査)報告書

掲載日: 2023年3月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局産業機械課
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令和3年度重要技術管理体制強化事業(国内半導体製造装置の後工程における産業競争力上重要な要素技術の調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、半導体後工程における技術動向と産業競争力について書かれた報告書である。半導体後工程は、完成したチップを実装・パッケージングする工程であり、デバイスの高機能化と三次元化に伴い重要性が増している分野である。

技術開発動向では、2.5D・3D化するデバイスの実現に向けてFanoutプロセスの発展が進み、従来のBump接合からCuのダイレクトボンディングへのシフトが進展している。デバイスの三次元化による高集積化は熱対策を深刻化させており、TIM(熱界面材料)の開発が重要課題となっている。また、高周波化対応として層間絶縁膜をはじめとするマテリアルイノベーションが加速している。主要キープレイヤであるTSMC、Intel、Samsungは独自のプロセス開発を推進し、シリコンフォトニクス分野では新たな技術チャレンジが展開されている。

市場構造においては、OSAT(アウトソーシング組立・テスト)企業ではASE社が最大手として君臨し、業界平均営業利益率は11%を維持している。半導体製造装置市場では、AMAT、ASML、LAM、東京エレクトロンの4社が10億ドルを超える売上を計上し、上位10社の平均営業利益率は24.4%と高水準である。

産業競争力分析では、日本は半導体後工程において世界をリードするポジションを確保している一方で、人材育成が重要課題として浮上している。国際学会での活躍人材が限定的であり、大学・公的研究機関の研究開発人材は諸外国と比較して明らかに不足している。この課題解決のため、ハブとなる研究機関を核とした大学連携ネットワークの構築、プラズマ・光関連技術・精密工学分野の人材育成強化、海外優秀人材の招聘制度、海外連携プログラムの拡充が提言されている。