令和3年度産業経済研究委託事業(デジタル技術等を活用した育児支援サービス(Baby-Tech等)の普及可能性等に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、デジタル技術等を活用した育児支援サービス(ベビーテック等)の普及可能性等に関する調査について書かれた報告書である。日本の少子化が加速する中、出生数は2020年に過去最少の84万832人となり、夫婦の理想子ども数と実際の子ども数にはギャップが生じている。経済能力や育児サポートの不足が重要な原因となっており、共働き世帯の増加に伴い多様な子育て支援が必要となっている状況がある。
ベビーテックは時間と人的リソースが限定される中で育児の負担をITで軽減し、効率化を目指すものとして市場規模が続伸している。政府は保育ICTの分野でIT導入補助金などの支援を行い、保育のICT化を推進している。ベビーテック商品・サービスの市場規模は2014年の31,484億円から2020年の43,120億円に拡大しており、その種類は授乳と食事、学びと遊び、安全対策と見守り、妊活と妊娠、健康管理など多岐にわたる。
利用者による分類では、こども、子育て家庭、保育サービス提供者、子育て家庭の勤務先企業などが対象となっている。小田原市における実証事業では、自治体連携によるベビーテックの導入効果や課題が検証された。実証事業の結果、参加者からは効率性の向上や情報共有の改善について肯定的な評価が得られた一方で、コストや操作性に関する課題も明らかになった。
今後の課題として、B2Cビジネスモデルにおけるコスト負担や認知度向上、B2BやB2Gモデルにおける導入促進や持続可能性の確保が挙げられている。また、地域DX推進ラボの在り方に関する検討会が設置され、自治体と企業の連携による地域課題解決のためのデジタル技術活用について議論が行われた。検討会では地域DX推進ラボの構成メンバーや選定要件、IoT推進ラボからの移行プロセスなどが検討され、地域の産業振興とウェルビーイング向上に寄与する取組の推進が提言されている。
