令和3年度重要技術管理体制強化事業(宇宙機器のサプライチェーン強化に向けた調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、宇宙機器のサプライチェーン強化に向けた放射線試験施設について書かれた報告書である。国内外の主要な放射線試験施設28箇所について、その機能と利用体制を詳細に調査している。国内施設では、量子科学技術研究開発機構の高崎量子応用研究所や千葉の量子医科学研究所、日本原子力研究開発機構のタンデム加速器施設、理化学研究所の重イオン加速器施設などが含まれる。これらの施設では、サイクロトロン、タンデム加速器、線形加速器、シンクロトロンなどの多様な加速器を用いて、宇宙環境における電子機器への放射線影響評価や半導体デバイスの耐放射線性試験を行っている。また、民間事業者として住重アテックス、関西電子ビーム、コーガアイソトープ、ラジエ工業、日本照射サービスなどが商業的な放射線照射サービスを提供している。海外施設では、米国のブルックヘブン国立研究所やローレンス・バークレー国立研究所、カナダのTRIUMF、テキサスA&M大学などが挙げられ、これらは宇宙用電子部品の単一事象効果評価や放射線損傷試験において重要な役割を担っている。各施設について、利用申請手続き、資格要件、教育訓練、利用料金、スケジュール管理などの運用体制が整理されており、産業界や研究機関による効果的な活用方法が示されている。