令和3年度産業標準化推進事業委託費(戦略的国際標準化加速事業:ルール形成戦略に係る調査研究(空気清浄機の性能表示等に関する各国制度等の調査))
報告書概要
この報告は、空気清浄機の性能表示等に関する各国制度等について書かれた報告書である。本調査は令和3年度産業標準化推進事業委託費による戦略的国際標準化加速事業として実施され、日本を含む世界各国の空気清浄機に関する規格、表示制度、マーキング制度について詳細な調査研究を行ったものである。
調査対象国は日本、米国、ドイツ、フランス、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、韓国の11か国であり、各国の規格内容、規制機関、性能評価項目について比較検討している。日本では JIS C 9615、JEM 1467、JACA 50 の3つの主要規格が存在し、集じん性能、ガス除去性能、ウイルス抑制性能などを評価対象としている。米国では ANSI/AHAM AC-1 規格によりCADR(クリーンエア供給率)という独自の性能指標を採用している。
欧州ではドイツの VDI-EE 4300 やフランスの NF B 44-200 など、各国固有の規格が制定されている。アジア諸国では日本の規格を参考にした基準が多く見られ、特にベトナムの TCVN 11858 やタイの TIS 3061 は日本の JEM 1467 規格に準拠した内容となっている。韓国では独自の SPS-KACA002-132 規格を制定している。
性能評価項目は脱臭、集じん、ウイルス抑制、PM2.5除去などが主要項目であり、各国により試験方法や評価基準が異なる。米国の AHAMマーク、フランスの NFマーク、韓国の CAマークなど、各国で独自の認証マーキング制度が運用されている。また、有識者会議では空気清浄機の性能評価基準の特定、認証制度及び認証マークの必要性、普及戦略について議論が行われ、国際標準化に向けた今後の方向性が検討された。
