令和3年度戦略的基盤技術高度化支援事業(効果測定に関する調査)報告書

掲載日: 2023年4月21日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部技術・経営革新課
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報告書概要

この報告は、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の効果測定について書かれた報告書である。サポイン事業は平成18年度に創設され、我が国製造業の国際競争力強化を目的として、中小企業が大学や公設試験研究機関と連携して行う研究開発を支援する制度である。同事業は特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針に基づき、2,000社以上の中小企業者に対し最大3年間の支援を提供している。

本調査では、EBPM(Evidence Based Policy Making)の観点から、平成29年度に実施された前回調査の更新と詳細な分析を目的として実施された。分析手法として、クロス集計・経年変化の分析、固定効果モデルを用いた差の差推定、RDデザインを用いた分析の3つの手法を採用している。データは民間企業財務データと工業統計の2つを使用し、有形固定資産、売上高、売上総利益、従業員数、1人あたり売上高などの指標について効果測定を行った。

分析結果から、サポイン事業は採択企業全体に対して一定の効果を示していることが確認された。特に、共同体に大学が含まれる場合や、無形資産集約度の高い技術分野において効果が高いことが明らかになった。また、流動性制約のある企業においても効果が見られることが判明した。これらの分析結果を踏まえ、今後のサポイン事業の方向性として、無形資産性の高い技術分野への重点化、流動性制約を加味した重点化、大学を含む共同体への優遇措置、オープンイノベーションの促進などが提言されている。