令和3年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(グリーン成長戦略の重点分野に係る革新的技術の研究開発・社会実装を取り巻く構造・環境等に関する調査分析)最終報告書

掲載日: 2023年4月21日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局環境政策課カーボンニュートラルプロジェクト推進室
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和3年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(グリーン成長戦略の重点分野に係る革新的技術の研究開発・社会実装を取り巻く構造・環境等に関する調査分析)最終報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、グリーンイノベーション基金(GI基金)を取り巻く構造と環境に関する調査分析について書かれた報告書である。

令和3年度の調査において、2050年カーボンニュートラル実現に向けたGI基金の全体的な戦略と運用方針が検討された。報告書では、カーボンニュートラルに向かう経路が不確実な中で、限られた資金を最適化して配分する必要性が強調されている。調査では3つの全体感として、不確実性への対応、エンド・トゥ・エンドの実装、政府のコミットメントが重要な視点として掲げられた。

技術開発の流れに関して、2050年に向けて主要技術をバランスよく導入していく想定のもと、現行の資金配分方針が諸外国政府や企業の投資範囲を概ねカバーしつつ、日本独自の投資範囲も視野に収められていることが確認された。電力分野では再生可能エネルギー、水素発電、火力発電と二酸化炭素回収等のあらゆる選択肢が追求され、非電力分野では電化を中心としつつ熱需要の水素化等も検討されている。

海外投資動向の分析では、欧州が復興基金やHORIZON EUROPEを通じて数百億ユーロ規模の投資を行い、英国も水素経済計画等で数十億ポンドの投資を実施していることが示された。これらの動向と日本の技術的強みを踏まえ、GI基金の資源配分方針の妥当性が検証された。今後の政策展開においては、産業政策の新機軸の考え方に基づき、目標の明示、リスクを負った生産的政府支出、ルール形成による市場創造が重要であるとされた。

報告書は、マクロ・ミクロ政策連動の一層の強化と生産的政府支出による政府コミットメントの強化が必要であると結論付けている。