令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(海洋生分解性プラスチックに係る技術評価手法のルール形成戦略に係る調査))調査報告書
報告書概要
この報告は、海洋生分解性プラスチックに係る技術評価手法のルール形成戦略について書かれた報告書である。経済産業省の委託により野村総合研究所が実施した調査では、プラスチックごみによる海洋汚染が地球規模の問題となる中、代替素材として注目される海洋生分解性プラスチックの国際的な導入・普及を目指している。
調査では北米、南米、アジア、オセアニア等の主要国における海洋プラスチックごみ対策に関連する政策や基準認証、市場動向を把握するため、将来的に海洋生分解性プラスチックのマーケットとなり得る国とルール形成に関する主要参加国から5か国程度を選定した。2019年のプラスチック製品生産量では中国が31%で最大シェアを占め、続いてNAFTAが19%、中国以外のアジア諸国が17%、欧州が16%となっている。海洋へのプラスチックごみ排出量についても陸域から海域へ排出される量が多い上位20か国を特定している。
ルール形成戦略シナリオの検討では、日本が提案する海洋生分解性プラスチックに関する国際的なルールを活用して社会課題を解決し、国際市場を創出するための課題を分析している。規格・標準を普及する手段として認証制度の構築、特定企業の調達基準への採用、海外規制への引用を含めて検討している。国内の海洋生分解性プラスチック素材メーカーとして、カネカのGreen Planet、三菱ケミカルのBioPBS、クレハのKuredux、ダイセルのCAFBLOなどが挙げられ、これらの素材は既にTÜV AUSTRIA BelgiumのOK認証を取得している。有識者会議では産業技術総合研究所、日本バイオプラスチック協会、日本プラスチック工業連盟等の専門家による検討が行われ、日本の技術優位性を活かした国際市場開拓戦略が議論された。
