令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(我が国映画産業の海外展開のための国際共同製作促進事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度コンテンツ海外展開促進事業における日本映画産業の国際共同製作促進に関する事業成果について書かれた報告書である。我が国の映画産業は原作・音楽・アニメなどを含む総合芸術として波及効果が大きいコンテンツであるが、国内市場の限界から海外展開の推進が重要な課題となっている。新型コロナウイルスの影響により動画配信プラットフォームが台頭し、業界構造が大きく変化する中で、持続可能な業界構造への転換が求められている状況である。
2018年5月に署名された日中映画共同製作協定を契機として、国際共同製作の更なる推進が検討されており、公益財団法人ユニジャパンが取扱機関として指定され、認定業務の一部を委任されている。日中協定に基づく認定制度では、両国で認定を受けた共同製作映画が自国の法令に従って自国映画と同等の特典を享受できる仕組みとなっている。認定対象は劇場用長編映画で、申請は随時受け付けられ、45営業日以内に審査結果が通知される。
事業の主要な取り組みとして、認定業務、国際共同製作ポータルサイトの開設・運営、日中映画製作者カンファレンスの開催が実施された。ポータルサイトは映画製作者が支援情報を一元的に入手できる窓口として機能し、月平均約1000回のページ閲覧があった。カンファレンスでは日中の映画関係者による対話を通じて製作者レベルの交流促進が図られた。申請予定者向け説明会も文化庁の支援制度と合同で開催され、制度の利用促進に努めた。これらの取り組みにより、日本の映画産業における国際共同製作の基盤整備と海外展開促進に向けた環境づくりが進められた成果が報告されている。
