令和3年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(専門家派遣システムの改修、保守運用、調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業において専門家派遣システムの改修及び保守運用を実施した調査事業について書かれた報告書である。中小企業庁では平成25年から「ミラサポ」を運用し専門家派遣事業を実施してきたが、郵送による手続きや複雑な報告業務により専門家や事務局に多大な処理コストが生じていた。これらの課題を解決するため、令和2年度に新システム「中小企業119」を構築し、令和3年度から運用を開始した。新システムでは事業者向けに派遣可能機関の検索UI改善と従事証明のメール化、派遣可能機関向けに写真撮影廃止と派遣日程変更機能実装、専門家向けにスマートフォンLINEアプリでの業務実施とGPS機能活用による支援記録、各種書類の電子化を実現した。システム運用開始から約半年後に専門家2名と派遣可能機関に対してヒアリング調査を実施し、委嘱状や領収書の電子化による郵送負担軽減、チェックイン・チェックアウト機能による支援時間・場所入力の簡素化、事業者のシステム操作廃止による負担軽減が確認された。一方でスマートフォンでの長文入力への戸惑い、パソコンからの入力要望、専門家評価制度の復活要望、各種様式のシステム上での直接入力化要望などの改善点も明らかになった。これらの検証結果を踏まえ、次年度以降は多様な方法でユーザーニーズを収集し、新システムの機能改修や新機能追加を継続的に実施することを目標としている。
