令和3年度中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業(専門家派遣関係調査及び事務処理等実施機関の運営事業)調査報告書

掲載日: 2023年5月11日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部経営支援課
委託事業者: 株式会社パソナ
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令和3年度中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業(専門家派遣関係調査及び事務処理等実施機関の運営事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和3年度中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業における専門家派遣関係調査について書かれた報告書である。

本調査は中小企業庁が実施した事業の効果測定と運用実態の把握を目的としており、全国の支援機関への詳細な聞き取り調査を含んでいる。調査対象となった支援機関は商工会連合会、商工会議所、都道府県等支援センター、金融機関、よろず支援拠点など多岐にわたり、それぞれの年間相談件数は50件から23,000件と規模に大きな幅がある。

支援内容としてはIT活用支援が最も多く、全体の6割から8割を占める支援機関が多数存在する。これは中小企業におけるデジタル化の遅れと専門知識不足を反映しており、ホームページ作成、SNS活用、SEO対策などの基礎的なIT支援が中心となっている。販路拡大支援がこれに続き、経営革新、ものづくり支援なども実施されている。

支援機関の同行率は0%から100%まで幅があるが、コロナ禍の影響で対面支援を避ける傾向が見られた。同行できない場合は電話による聞き取りや事後フォローで支援内容を確認している。専門家派遣制度の利用者満足度は高く、62%が満足、29%がやや満足と回答している。

制度運用面では、ミラサポからの移行により事務処理が大幅に簡素化され、特に写真撮影義務の廃止が評価されている。一方で、専門家検索システムの改善要望や、GPS機能の不具合、報告書作成の困難さなどの課題も指摘されている。

有料化に関しては多くの支援機関が懸念を示しており、特に地方の零細企業への影響を危惧する声が強い。現在無料である県独自の支援制度との競合関係や、事業者の利用意欲減退への不安が表明されている。

スマートフォンの普及率は97%と非常に高く、普段最もよく利用する電子機器としてはスマートフォンが61%、PCが36%となっている。これはデジタル支援の基盤となる重要な要素である。調査結果は制度改善と継続的な中小企業支援の重要性を示している。