令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(諸外国のコンテンツIPを中心とした競争力強化に関する調査事業)成果報告書コンテンツIPを中心とした我が国のコンテンツ産業の競争力強化に向けた提言

掲載日: 2023年5月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局コンテンツ産業課
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令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(諸外国のコンテンツIPを中心とした競争力強化に関する調査事業)成果報告書コンテンツIPを中心とした我が国のコンテンツ産業の競争力強化に向けた提言のサムネイル

報告書概要

この報告は、日本のコンテンツ産業の国際競争力強化について書かれた報告書である。世界のコンテンツ関連産業は220兆円規模に成長しているが、日本のコンテンツ市場は12兆円程度で横ばい状態が続いており、少子高齢化による人口減少の影響で成長率が鈍化している状況にある。こうした背景から、日本のコンテンツ産業は従来の国内市場重視の事業戦略から海外事業を主軸とした戦略への転換が喫緊の課題となっている。

デジタル化の進展により、AmazonやNetflix等のプラットフォーマーが拡大し、パッケージソフト中心であった日本市場でオンラインコンテンツ消費が急速に広がっている。また世界的にはGAFAやTencent等の巨大テック企業がコンテンツ産業を取り込み、コンテンツとメディアの一体化が進んでいる。中国や韓国のコンテンツ企業も日本が得意としていたアニメやゲーム分野で台頭している。

本報告書では、日本コンテンツIPの海外展開成功事例を分析し、ファンをIP世界観に引き込む展開手法と収益最大化のための事業体制構築の観点から調査を実施した。その結果、日本企業が目指すべき姿として、コンテンツIPを起点としたグローバル市場での多元的事業展開を掲げ、IPの価値を高めながら制作と消費の経済活動エコシステムを形成することを提言している。

成功のための要素として、世界で受け入れられる作品創出、現地ニーズに対応した柔軟な意思決定体制、IP活用を円滑化する権利運用の一元化、海外企業との交渉における情報・チャネル獲得が必要とされる。政府支援施策については、コンテンツ企業の競争力強化、政府支援の選択と集中、継続性のある支援体制構築、情報基盤整備、人材育成投資、産官対話促進の6つの論点が示されている。具体的支援内容として、大型IPの海外化支援、専門人材によるマッチングサポート、マーケティング・ローカライズ支援、業界横断的教育機会提供等が提案されている。