令和3年度エネルギー需給に関する統計整備等のための調査(総合エネルギー統計関係の整備及び分析に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告書は、2021年度に経済産業省資源エネルギー庁からの委託により実施された総合エネルギー統計の整備および分析に関する調査研究報告書である。総合エネルギー統計とは、日本に輸入または国内で生産・供給された各種エネルギー源の転換過程と最終消費形態を表す統計であり、エネルギー需給実態の把握・分析およびエネルギー起源CO2排出量の算定に用いられている。この統計は、エネルギー政策の企画・立案に活用されるとともに、国際エネルギー機関への報告や国連への温室効果ガス排出量報告において重要な役割を果たしている。
調査の主要な内容として、電力調査統計における雑用分と他統計との重複排除、LNG関連の統計整理、発電事業者を対象とした総合エネルギー統計補足調査の実施が挙げられる。補足調査では727社から回答を得て、発電種類別の発電端発電量、所内用電力量、送電端電力量について詳細なデータを収集した。また、各電源の所内率について分析を行い、石炭火力、LNG火力、再生可能エネルギーなど電源種別ごとの特性を明らかにした。
さらに、エネルギー源別標準発熱量の改訂作業として、オイルコークスおよびバイオディーゼルについて追加調査を実施し、より正確な発熱量データの整備を行った。住宅用太陽光発電の把握方法、建設業のアスファルト消費量、化学工業のLPG非エネルギー利用消費量など、各種エネルギー関連統計の整備に関する調査も並行して実施された。品質管理システムの構築により、統計作成過程における人為的ミスの防止や時系列データの整合性確保が図られている。本調査により、我が国のエネルギー需給統計の精度向上と国際基準との整合性確保が推進された。
