令和3年度燃料安定供給対策に関する調査等(バイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策の在り方に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、2050年カーボンニュートラル社会実現に向けたバイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策の在り方について調査・分析を行った報告書である。調査の背景として、2020年10月に菅総理が宣言した2050年カーボンニュートラル目標の達成において、バイオ燃料等の代替燃料の活用が期待されていることが挙げられる。世界のバイオ燃料生産動向では、エタノール生産量は米国とブラジルが世界全体の約75%を占め、バイオディーゼル生産量ではEUが32.3%で首位となっている。アジア地域では2021年から2026年の期間において、ヨーロッパを上回るバイオ燃料生産量が予想され、インドネシア、マレーシア、インドの政策が成長を支えるとされている。消費動向については、開発途上国における混合目標の高まりを受けて2030年まで緩やかに増加するものの、EU及び米国では燃料使用量の減少により全体として伸び悩むことが示唆されている。貿易動向では、2026年までの期間において再生可能ディーゼルとバイオジェット燃料の貿易量が60%増加する一方、エタノールとバイオディーゼルの純貿易量は13%減少すると予測されている。航空分野における持続可能な航空燃料(SAF)については、ICAO における長期的な低炭素化目標達成に向けた重要な手段として位置付けられ、各国で導入促進策の検討が進められている。技術開発動向では、水相改質技術、熱分解技術、ATJ技術等の様々な製造プロセスが開発され、それぞれのライフサイクル温室効果ガス評価が実施されている。主要国の政策動向として、米国のRFS2制度、EUのRED II指令、ブラジルのRenovaBio政策等が詳細に分析されている。
