令和3年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(脱炭素化が産業活動へ与える影響に関する分析・調査支援事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、脱炭素化が日本の産業活動に与える影響について書かれた資源エネルギー庁の委託調査報告書である。デロイトトーマツコンサルティング合同会社が2022年3月に作成したこの調査では、2050年カーボンニュートラル目標達成に向けた産業部門の課題と道筋を多角的に分析している。調査は5つの主要仕様で構成されており、まず諸外国におけるエネルギー需要側のカーボンニュートラル戦略を調査し、鉄鋼、化学、セメント、製紙の4業種について脱炭素化への取り組みを詳細に分析した。また産業部門における熱需要の実態調査では、各産業のエネルギー構造を把握し製造プロセスごとの脱炭素への道筋を検討している。さらに国内外のエネルギーコストに関する調査・分析では、現状と将来予測を行い、エネルギーコスト上昇が最終消費や製品価格に与えるインパクトを評価した。最後に再生可能エネルギーコストのポテンシャル試算では、2050年のCO2削減目標に合わせた最適化計算によるシミュレーションを実施し、設置コストの内訳と重要因子を整理してLCOEベースでのコスト試算を行った。この包括的な調査により、日本の産業部門が直面する脱炭素化の課題と必要な政策対応の方向性が明らかにされている。
