令和3年度補正予算「地域デジタル人材育成・確保推進事業(現場研修プログラム候補の案件組成事業)」調査報告書(公表版)
報告書概要
この報告書は、令和3年度補正予算「地域デジタル人材育成・確保推進事業(現場研修プログラム候補の案件組成事業)」について書かれた調査報告書である。デロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社が関東経済産業局に提出した公表版であり、新潟県や株式会社イードアなどと連携して地域に根差したDX推進を実現するための体制整備を目的としている。
事業実施において、地域企業に対する現場研修プログラムの概要説明および協働候補企業の発掘を行い、建設業協会、新潟県旅館ホテル組合、にいがた産業創造機構、商工会連合会などが主催する5つのセミナーを通じて延べ250名の参加者に対して周知活動を実施した。これらのセミナーは令和4年7月から9月にかけて開催され、デジタル化推進セミナー、製造DXの現場セミナー、建設業経営管理セミナー、DXみらい経営社長塾などが含まれていた。
調査の結果、新潟県内の中小企業約30社に対するヒアリングから、地方における人手不足の深刻化に伴い業務効率化・生産性向上が急務となっていることが明らかになった。企業はデジタル化の必要性を理解しているものの、デジタル化を推進する人材が不足しており、現場においてはデジタル化に抵抗を持つ社員も存在することが判明した。また、経営者が従業員にビジョンを示せないことが一つの要因であることも指摘されている。
報告書では、デジタル化は目的ではなく手段であり、目的となる経営課題や体制は企業によって全く異なるため個社ごとの個別支援が求められるとしている。今後の方向性として、地方においてデジタル人材をより育成できる仕組みが必要であり、デジタル人材の育成のみならず経営者や現場リーダーなどに対してもデジタルリテラシーの向上が必要不可欠であることを強調している。最終的に、地域の特性にあった人材育成のプラットフォームを確立することで、デジタル人材の育成と企業の経営課題解決の好循環を目指すことが提言されている。
