令和3年度高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業(CASE等による産業構造変化を見据えた国内技術動向調査)調査報告書

掲載日: 2023年9月7日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局自動車課
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令和3年度高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業(CASE等による産業構造変化を見据えた国内技術動向調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、CASE(コネクト、自動運転、モビリティサービス、電動化)による産業構造変化を見据えた国内技術動向について書かれた報告書である。

自動車産業は100年に1度ともいわれる大きな変化に直面しており、欧州や中国では電気自動車の普及が戦略的に進められているが、日本では普及が遅れている状況である。電動車普及に向けては、車両価格の低減、充電インフラ整備、電池・燃料電池・モータ等の技術・サプライチェーン強化が課題となっている。

テスラの競争優位性の分析では、同社がModel3を中心に販売台数を急速に拡大し、BEV市場で圧倒的な地位を築いていることが示されている。テスラは2019年後半から黒字体質に転換し、直近の3四半期ではクレジットを含まずとも黒字化を達成している。その競争優位の源泉として、前例に捉われないハードウェア・ソフトウェアの統一とアーキテクチャ簡素化、類を見ない内製化・近接化とサプライチェーンの地産地消化、圧倒的なバッテリーコスト低減、製造工程のイノベーション、直販・無店舗販売モデル、強固な充電インフラ網構築が挙げられている。

電池リサイクルについては、「直接リサイクル法」が高付加価値かつ低コストでリサイクル材を供給できる技術として注目されており、Princeton NuEnergyやOnTo Technologyが実用化に取り組んでいる。将来的には、拠点配置最適化、競争原理のある物流プラットフォーム、解体・リサイクルを前提とした電池設計、自動化された解体工程、精錬方式の革新により、持続可能なオペレーティングモデルの実現が期待されている。