令和3年度補正「デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業(アーティスト等と連携した地域ブランドの確立に係る実証事業)」中心市街の公共空間や遊休資産を活用した持続的なアート活動促進の実証 実施報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度補正「デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業(アーティスト等と連携した地域ブランドの確立に係る実証事業)」について書かれた報告書である。NPO法人クロスメディアしまだが実施した「まちなかアート回廊」プロジェクトは、静岡県島田市の中心市街地において現代アーティストの作品展示を通じて賑わい創出と新たな空間利活用の実証を行った事業である。実施期間は3月2日から3月19日で、JR島田駅前広場や空き店舗2か所を活用し、関口恒男、さとうりさ、ふじたともこの3名のアーティストが参加した。来訪者数は約3万人に達し、制作支援等のサポーターも約50人が参加した。事業の主要な成果として、中心市街地の公共空間活用と遊休不動産の開示が挙げられる。島田市は中心市街地活性化基本計画に基づき商店街の衰退や人口減少という課題に取り組んでおり、従来のマルシェ中心のイベントでは参加年齢層に偏りが見られるという問題があった。当事業では空き店舗「旧おかむらのぼる」と「Cビル」を通常賃料の30~50%の安価で借り上げ、不動産事業者との官民連携による新たな可能性を示した。また同時期開催の「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川」と連携し、中心市街地と中山間地域をつなぐガストロノミーツアーを実施することで広域的な回遊を促進した。事業調整においては商工課が窓口となり文化振興課や都市基盤部との横連携を図ることで円滑な進行を実現し、遊休不動産をアーティストの制作・表現・保管の場として活用する新たなエコシステムの可能性を見出した。