令和3年度補正再生可能エネルギー大量導入に向けた次世代型ネットワーク構築加速化事業(長距離海底直流送電システム実用化に向けた実地調査のうち先行利用状況調査)報告書

掲載日: 2024年1月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課制度審議室
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令和3年度補正再生可能エネルギー大量導入に向けた次世代型ネットワーク構築加速化事業(長距離海底直流送電システム実用化に向けた実地調査のうち先行利用状況調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、長距離海底直流送電システム実用化に向けた先行利用状況調査について書かれた報告書である。本調査は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギー最大限導入のため、北海道から新潟県まで約900kmの海底直流送電ケーブル敷設に関する環境影響評価と地域理解促進を目的として実施された。

電界・磁界影響調査では、海外文献を中心とした調査により、海底ケーブルの電界は遮蔽層によりシールドされ外部への漏れは原理的にないが、磁界については非磁性遮蔽層のため影響範囲が限定的であることが確認された。専門家からは、サケ科魚類の母川回帰における地磁気利用への影響や海生哺乳類への慎重な検討の必要性が指摘されている。

環境状況調査では、潮位、流況、波浪、水質などの水環境データとともに、重要野生生息地、生物多様性重要地域、ウミガメ産卵地、海棲哺乳類確認情報などの注目すべき生息地情報を収集整理した。また、自然公園、ラムサール条約湿地、鳥獣保護区などの環境保全指定地域についても調査を実施している。

漁業実態調査では、北海道から新潟県までの対象海域における漁業操業状況を詳細に把握し、各地域の主要魚種と操業時期を整理した。説明会については2022年7月から2023年2月まで各道県の漁業団体を対象に実施し、海底直流送電整備の趣旨説明と海洋調査への協力依頼を行った。