平成31年度燃料安定供給対策に関する調査(石油統計調査の適正性向上に資する機能強化に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、石油統計調査の適正性向上を目的とした情報システム機能強化に関する実証調査について書かれた報告書である。
資源エネルギー庁政策課では、平成14年から運用している4つの石油関連統計調査において、総務省からの効率化要請や行政手続きコスト削減要請への対応が求められている。平成31年1月に発覚した政府基幹統計の不適切処理問題を受け、より適切な統計業務の実施が必要となった状況に対し、本調査では平成30年度の石油統計見直し調査の成果を活用し、実際のシステムへの適用による適正性向上効果を検証した。
現行石油情報システムの主要課題として、プログラム改修に高度な専門知識と多大な時間・コストを要すること、利用者ニーズに応じた多角的分析が困難であること、データベース乱立による管理の複雑化が挙げられている。これらの課題解決を目指し、ETLツール、BIツール、マスタ管理ツールによる汎用ツール統一化を図るTo-Be像を設定した。
実証システムでは、ETLツールにPentaho、BIツールにIBM Cognos Analytics、マスタ管理ツールにMasterInfinityを採用し、4つの仮想サーバ構成で検証環境を構築した。実証機能として、データ取込結果チェック機能強化、データ取込機能の性能改善、データ集計・分析の要件変更への追従性向上を検証した。調査結果では、データ取込漏れ防止効果の確認、処理性能の大幅な改善、要件変更への迅速な対応が可能であることが実証された。システム全体の統一性向上と容易なメンテナンス性の実現により、長期的かつ効率的な統計調査運用が期待される。