令和元年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業(リチウムイオン蓄電池搭載電気製品の安全基準検討に係る調査)報告書

掲載日: 2020年3月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ製品安全課
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令和元年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業(リチウムイオン蓄電池搭載電気製品の安全基準検討に係る調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、リチウムイオン蓄電池搭載電気製品の安全基準検討に係る調査について書かれた報告書である。近年、リチウムイオン蓄電池(LIB)の異常による製品事故が増加しており、特にノートパソコン、モバイルバッテリー、スマートフォンで顕著となっている。現在、モバイルバッテリーは電気用品安全法の規制対象であるが、ノートパソコンやスマートフォンのようなLIB搭載電気機器は規制対象外であり、法令改正と整合規格策定が必要である。そこで本事業では、法規制によらない業界自主ガイドラインの策定を目指し、LIB有識者、関係業界、関係機関の意見を聞きつつ、ノートパソコン及びスマートフォンの特性を考慮したガイドラインに盛り込むべき事項について検討を実施した。検討方法としては、学識経験者、製造者、使用者、中立機関で構成する検討委員会と、ノートパソコン・タブレット関連のWG1及びスマートフォン関連のWG2の作業部会を設置し、過去の業界団体策定の手引書を参考にしながら、国際規格と電安法技術基準の差分、近年の製品事故に対する安全対策、NITEの調査結果を踏まえて検討を行った。主な検討結果として、適用範囲、引用規格、警告表示、用語の定義、リチウムイオン二次電池の設計における留意点、単電池の製造工程指針と設計指針、安全領域の考え方、充電電圧や放電電圧の上下限、標準・高・低温度域での使用条件、電流および温度範囲、単電池寿命、配置、落下・振動・衝撃対策、温度管理、過充電保護、劣化対策などについて具体的な要求事項を取りまとめた。今後の課題として、新たなガイドラインの活用方法、LIB及びLIB搭載電気機器の事故防止策、安全なLIBの在り方について継続的な検討が必要であると結論付けている。