令和元年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(資源効率性に関する調査等事業)報告書
報告書概要
この報告は、海洋プラスチックごみ問題と資源効率性に関するG20対話推進について書かれた報告書である。経済産業省が委託した本事業では、2019年にG20議長国となった日本が国際的な議論を主導するため、「海洋プラスチックごみに関する日・EU共催ネットワーキング」および「持続可能な社会の実現に向けたG20ワークショップ」という2つの重要なイベントを開催した。海洋プラスチックごみについては、世界のプラスチック生産量が大幅に増加する中で、日本の樹脂生産量と樹脂製品消費量がそれぞれ年間約1,000万トンに達している現状が示されている。廃プラスチックの排出量も生産・消費の増加に伴って増加しており、日本の廃プラスチック有効利用率は約90%に達しているものの、マテリアルリサイクル率は10~30%程度に留まっており、世界全体では有効利用されていない廃プラスチックが相当量存在している。CFRPリサイクルに関しては、炭素繊維強化プラスチックの循環システムが未確立であることが課題として挙げられ、リサイクル材の性能評価手法の確立、品質保証の標準化、トレーサビリティの確保が重要であると指摘されている。両イベントの開催にあたり、背景調査から企画立案、会場確保、広報活動、参加者調整まで包括的な運営支援が実施され、国際的な連携強化と技術革新の促進を通じて持続可能な社会の実現に向けた取組が推進された。
