令和元年度 質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業コロンビア国・メデジン市における都市交通マスタープラン検討調査報告書

掲載日: 2020年5月15日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局国際プラント・インフラシステム・水ビジネス推進室
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令和元年度 質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業コロンビア国・メデジン市における都市交通マスタープラン検討調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、コロンビア国メデジン市における都市交通システムの改善を目的とした交通マスタープラン検討について書かれた報告書である。メデジン市は南米コロンビアの第二の都市であり、渓谷の底に位置する特殊な地形的制約を抱えている。現在同市では地下鉄、ケーブルカー、BRT等の公共交通システムが運行されているが、人口増加と都市化の進展により交通需要が増大し、既存システムの混雑が深刻化している。

報告書では新交通システム(AGT:Automated Guideway Transit)の導入可能性について詳細な検討を行っている。AGTは中量輸送システムであり、自動運転による高頻度運行が可能で、メデジン市の地形的制約や需要特性に適合するとされている。具体的にはSan Juanルートへの導入を想定し、全長約14キロメートルの高架式路線を計画している。この路線は既存のメトロA線やトランビアとの接続を図り、公共交通ネットワークの強化を目指している。

事業費は総額約1,000億円と算出され、円借款を中心とした資金調達スキームが提案されている。AGTシステムについては日本企業の技術的優位性が高く、三菱重工業や新潟トランシスなど複数のメーカーが世界各地で導入実績を持っている。運営維持管理費用や経済性評価も実施され、B/C比は1.2となり事業の妥当性が確認されている。環境社会配慮についても検討が行われ、CO2削減効果や住民移転への対応策が示されている。今後の課題として詳細設計や環境影響評価の実施、現地政府との調整等が挙げられている。