令和元年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業(官民合同ミッション等支援事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和1年度に経済産業省委託で実施された知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業について書かれた報告書である。日本企業の海外展開が拡大する中、中国をはじめとするアジア諸国、中東・アフリカ、中南米において模倣品・海賊版被害が深刻化しており、その対策として官民合同による知的財産保護強化事業を実施した。主要な活動として、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)の運営支援、政府間協議のための調査事業、知的財産保護官民合同代表団の派遣、侵害発生国との共同事業、現地でのセミナー開催、専門家招聘事業などを展開した。IIPPFでは中国、アジア大洋州、中東アフリカ、インターネットの各プロジェクトチームが活動し、企業間の情報共有と課題解決に取り組んだ。特に中国においては交流グループと情報収集グループを設置し、実務レベルでの協力関係を構築した。侵害発生国との共同事業では、インドネシアとインドのECサイト訪問事業を実施し、現地での模倣品対策強化を図った。真贋判定セミナーは中国の威海、香港、佛山で開催され、現地当局職員に対して日本企業が直接真贋判定のポイントを講義し、模倣品展示コーナーでの説明機会も提供した。専門家招聘事業では、パキスタン弁護士、中国商標専門家、南アフリカ等弁護士を日本に招聘し、各国の知的財産制度や模倣品対策の最新動向について情報共有とセミナーを実施した。これらの取り組みにより、侵害発生国政府との協力関係構築と知的財産権保護の強化を図り、日本企業の海外事業展開支援に貢献した成果が報告されている。
