令和元年度産業保安等技術基準策定研究開発事業(電気用品等製品のIoT化等による安全確保の在り方に関する動向調査) 報告書

掲載日: 2020年5月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ製品安全課
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報告書概要

この報告は、電気用品等製品のIoT化による安全確保のあり方について書かれた報告書である。経済産業省が令和元年度に実施した研究開発事業において、Society5.0の実現に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策の一環として、IoT化された家電製品の安全性について調査・検討を行ったものである。背景として、従来の製品安全関連法はハードウェアの欠陥に起因する事故防止を目的としており、ソフトウェアやデータ不良による複合的なシステムの相互作用が引き起こすリスクに対しては必ずしも十分な対応ができていない状況がある。調査では、国内外のスマートホームプラットフォームを対象に、Google Home、Amazon Echo、Apple HomeKitなどのIT企業系プラットフォームと、リンナイ、日立、パナソニックなどの電機メーカー系プラットフォームの両方を分析し、ほぼ全ての家電製品がIoT化されていることを確認した。特に洗濯機、冷蔵庫、掃除機、エアコン、空気清浄機などでIoT化が進んでいる。遠隔操作機構を有する製品については、電気用品安全法が規定する「見えない位置からの操作」におけるリスクとして、利用者の過信と機器周辺にいる人への不意の危害を重要な検討課題として特定した。検討フレームワークとして、遠隔操作を禁止されている機器、人の注意が行き届く状態で動作する機器、人の注意が行き届かない状態で動作する機器の三つに分類し、それぞれについてユースケースとリスクシナリオを整理した。また、通信回線を利用した遠隔操作においては、通信回線と安全機能を分離し、遠隔操作が安全機能に影響を与えないよう設計することを大前提とした。今後の課題として、ソフトウェアのダウンロードやアップデートに関する責任分担の明確化、製造物責任との関係整理、ガイドライン化に向けたアクションプランの策定などが挙げられている。