令和元年度女性活躍推進のための基盤整備委託事業(ダイバーシティ経営アンバサダー事業)報告書

掲載日: 2020年6月8日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局経済社会政策室
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和元年度女性活躍推進のための基盤整備委託事業(ダイバーシティ経営アンバサダー事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告書は、2020年3月に経済産業省が実施したダイバーシティ経営と女性活躍推進に関する企業選定・表彰事業について書かれた報告書である。

経済のグローバル化と少子高齢化が進む中で、日本企業の競争力強化を図るため、女性、外国人、障がい者を含む多様な人材が能力を最大限発揮するダイバーシティ経営の推進が必要となっている。この背景から、優れた取組を行う企業を「新・ダイバーシティ経営企業100選」「100選プライム」として選定し、また東証全上場企業から女性活躍推進に優れた企業を「なでしこ銘柄」として選定・発表した。

事業の実施内容として、まず公募準備では労働関係法令遵守の基準を明確化し、「経営層への多様な人材の登用」「キャリアの多様性の推進」「マネジメントの在り方の改革」「外国人・シニア・チャレンジドの活躍」を重点テーマとして設定した。選定プロセスでは書面審査、ヒアリング審査、プレゼン審査を実施し、最終的に表彰企業を決定した。なでしこ銘柄については、東証全上場企業を対象とした女性活躍度調査を実施し、スコアリングによる選定を行った。

普及広報活動では、公募説明会の開催、ベストプラクティス集の作成、主に中堅・中小企業向けの「ダイバーシティ経営診断ツール」を活用した勉強会やセミナーを実施した。また、ロゴマークの作成・交付、記念品の提供なども行った。

調査分析では、ダイバーシティ経営による経営成果創出のメカニズムを明らかにした。働きやすい職場環境の整備、個々の多様性を活かすマネジメント、働きがいのある職場づくり、適材適所の人材配置という段階的なプロセスが重要であることが判明した。特に取締役会自体の多様性が社内の好循環を促進する効果があることも確認された。今後の政策方向性として、外部からの企業評価指標の整備、多様な人材活躍のための人材マネジメント手法の支援、取締役会の多様化による効果の啓発が必要であると結論づけている。