平成31年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査 (託送料金制度の在り方等に関する詳細調査分析) 調査報告書

掲載日: 2020年6月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力産業・市場室
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平成31年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査 (託送料金制度の在り方等に関する詳細調査分析) 調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、日本の託送料金制度の在り方に関する調査について書かれた報告書である。

背景として、送配電事業は再生可能エネルギーの大量導入対応、系統電力需要の減少、送配電網の高経年化、大規模災害対応を含むレジリエンス強化等、多様化・複雑化する課題に直面している。一方で、分散型電源の普及やAI・IoT技術の進展により、送配電事業や設備形成の更なる高度化と新産業創出の可能性が広がっている。

調査では英国、ドイツ、米国の託送料金制度について詳細に分析している。英国では、RIIOという収入=インセンティブ+イノベーション+アウトプットの規制フレームワークにより、レベニューキャップ制度が導入されている。この制度では、TOTEXをFast MoneyとSlow Moneyに分解し、Opening Base Revenueをベースに基礎収入とレベニューキャップを設定する構造となっている。期初設定では前年度12月にOfgemがFinal Proposalsを公表し、8年度分のレベニューキャップを仮決定する。期中調整では翌年度の新料金適用に向けて約1年前から入力データを更新しながら年4回新料金を計算している。

ドイツの託送料金制度についてもレベニューキャップの設定と期中調整、効率性分析手法が検討されている。米国の制度と併せて、再生可能エネルギーの系統接続に係る費用負担や基本料金と従量料金の比率等の関連制度についても調査が実施されている。これらの諸外国の制度分析を通じて、日本の将来的な託送料金制度の在り方について検討するための基礎資料として活用されることが期待されている。